建国記念の日と建国記念日の違いを整理|いつからある祝日で何を祝うのか

建国記念の日と建国記念日の違いを解説する記事ヘッダーとして、カラス耳の青年メロが星図に囲まれたホールで日本の小さな国旗モチーフを背に、穏やかな表情で読者に向き合う横長ポートレート / Horizontal semi realistic landscape portrait of Mero, a crow eared young male teacher standing in a star chart observatory with a subtle Japanese flag motif, calmly facing the viewer for an article explaining the difference between Kenkoku Kinen no Hi and Kenkoku Kinenbi

カレンダーの二月を眺めていて、「あれ、建国記念日じゃなくて建国記念の日なんだ」と首をかしげたことがあるかもしれません。
わたしも、はじめてこの表記を意識したとき、「の」が一文字入るだけで、こんなに意味の距離感が変わるんだな、と少し驚きました。

先にいちど、結論だけ静かに置いておきますね。

建国記念の日は、日本がいつ建国されたかを一日で言い当てる日というより、「建国されたということ」をしのび、自分とこの国との付き合い方をそっと考えるための祝日です。

ここまで読んだあなたは、きっとこんな感覚を少しだけ抱えているはずです。
カレンダーが赤くなるのはうれしい。でも、何を祝っている日なのか聞かれると、とたんに言葉に詰まってしまう。
そのままでも生活は困りませんが、「自分の国のことをまったく説明できないまま大人になっていくのも、どこか落ち着かないな」と感じているかもしれません。

この記事では、あなたを責めることはしません。
歴史の専門家にも、強い主張にもならなくて大丈夫です。
ただ、「建国記念の日」と「建国記念日」の違い、いつからある祝日なのか、その由来と今の意味を、ひとつの流れとして静かに並べ直してみます。

最後まで読み終えるころには、誰かに聞かれたときにこう答えられるはずです。
「正確な年号を全部覚えているわけではないけれど、この祝日には、わたしなりにこんな意味を感じているんだ」と。

この記事を書いた人
メロ

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・のら賢者メロ

・感覚と記憶を編む、“漂泊の知恵使い”

・Webメディア運営14年目

・未来志向

・トレンド追っかけ中

・マーケティングと大局観を鍛え中

・ニュースは雑食性

・情報に飢えています

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・AI構文や生成モデルの変遷も、未来の観測点として静かに記録しています。

・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。

・AIで信頼性を見極めて、怪しいレビューは排除済み。希少だけど、未来は“選び方”から変わります。

・I am a Japanese creator.

建国記念の日と建国記念日、いちばん先に押さえたい結論

二つの言葉の違いを考えだすと、いきなり混乱しやすいので、ここでは「ざっくりした地図」を先に描いてしまいますね。

まず、カレンダーに書かれている正式名称は建国記念の日です。
建国記念日と書くのは、日常会話としては通じますが、祝日の名前としては公式ではありません。

では、なぜわざわざ「の」を挟んでいるのか。
ここに、この祝日の性格がぎゅっと詰まっています。

建国記念日という言い方だと、「この日に建国された」という、はっきりした出来事がある印象になります。
一方で、建国記念の「日」という言い方は、「建国されたということを思い出す日」「建国の意義をしのぶための日」という、少しぼかした表現になります。

わたしたちの国の場合、いつをもって「建国の日」とするかについて、歴史学的に完全に合意された日付があるわけではありません。
神話に登場する神武天皇の即位の日付を起点とする考え方があり、その流れの上に今の祝日も乗っていますが、それをそのまま「史実」と呼ぶには慎重さが必要です。

だからこそ、名前には一歩引いた表現が選ばれました。
「この日だけが絶対の建国の日です」と強く言うのではなく、「日本という国が成り立ったこと全体をしのぶ日」としておこう、という選び方です。

ここまで押さえられていれば、実はかなりの部分をクリアしています。
あとは、「どうしてそんな名前になったのか」「いつからある祝日なのか」を、時間をさかのぼりながら見ていくだけです。

この先は、すべてこの結論を少しずつ細かくしていく作業だと思って、肩の力を抜いて読み進めてみてください。

建国記念の「日」と祝日法|公式な意味と「の」一文字の役割

二月十一日が赤く塗られている根拠は、祝日法という法律にあります。
そこには、建国記念の日について、こんなふうに書かれています。

「建国をしのび、国を愛する心を養う。」

とても短い一文ですが、ここに大事なポイントが三つあります。

ひとつ目は、「建国をしのび」となっていること。
「建国そのものを祝う」と言い切っていないところに、慎重な言葉選びが見えます。
しのぶ、という言葉には、過去の出来事にそっと思いを寄せる、というニュアンスがあります。

ふたつ目は、「国を愛する心を養う」と続いていること。
「国を愛しなさい」ではなく、「その心を養う」と書かれているので、命令ではなく、育てていくものとして扱われています。
日付を覚えることよりも、「今の自分とこの国との距離感をどう育てていくか」が、主役として置かれているのです。

そして三つ目が、この記事のテーマでもある「の」一文字です。

もし名前が建国記念日なら、「建国の日付そのものを記念する日」という響きが強くなります。
それに対して建国記念の「日」は、「建国を記念するために設けられた日」であって、特定の歴史的瞬間にぴったり重ねているわけではない、という含みを持ちます。

わたしたちの暮らしの中では、ここまで細かく意識して使い分ける場面は多くないかもしれません。
けれども、「の」が挟まっているかどうかで、歴史との向き合い方や、神話と史実の扱い方に対する姿勢がじわりとにじみます。

他の国を見てみると、例えばアメリカでは七月四日が独立宣言の日としてはっきり位置づけられており、その日を祝う独立記念日という祝日があります。
一つの出来事に国として大きな意味を重ねている例ですね。

それに比べると、日本の建国記念の日は、「出来事そのもの」よりも、「成り立ち全体」や「これまでの歩み」をふんわりと包んで見つめる日になっています。
どちらが良い悪いではなく、歴史の積み重ね方や、神話との距離の取り方の違いが、名前の付け方に素直に表れていると考えると、少しおもしろく感じられるかもしれません。

もしここまでで、「細かい話はまだあやふやだけど、とりあえず『の』があるのはわざとなんだな」というところまで来られていれば十分です。
次は、今の自分がこのテーマについてどのくらい知っているのか、軽く見取り図を描いてみましょう。

あなたはどのタイプ?建国記念の日との距離感チェック

少し歴史の話に入る前に、いまのあなたと建国記念の日との距離感を、簡単なチェックで確かめてみませんか。
ここでは、正解・不正解を決めるためではなく、「どこから読めば楽になるか」を見つけるための小さな鏡として使ってみましょう。

建国記念の日 理解度チェック表

当てはまる項目に、心の中でそっとチェックを入れてみてください。

項目当てはまる
二月十一日の正式名称が建国記念の日であることを、以前から意識して使っていた
「紀元節」という言葉を、一度は聞いたことがある
建国記念の日が、戦後しばらくのあいだ存在しなかった時期があると知っている
この日が二月十一日になった理由を、他の人におおまかに説明できる
建国記念の日に、これまで何かしら「意識して行ってきたこと」が一つはある
子どもや身近な人に、「どういう祝日か」を自分の言葉で伝えられそうだと感じる
他の国の建国記念日を、具体的に一つ以上挙げられる

いくつチェックが入ったでしょうか。

もしほとんど入らなかったとしても、大丈夫です。
その場合は、このあとに続く「いつからある祝日なのか」の部分を、歴史の物語として眺めるところから始めてみてください。

いくつかは知っているけれど自信がない、という感覚なら、名前の意味と歴史の流れを軽く整理してから、後半の「過ごし方」のパートで、自分なりの一文を考えてみるのがおすすめです。

チェックがたくさん入った場合は、すでに知識の土台はできている状態です。
そのときは、「世界の建国記念日との違い」を読みながら、日本らしいあいまいさとやわらかさをどう受け取るか、自分のスタンスを言葉にしてみると、さらに楽しめると思います。

どの状態であっても、ここから先はゆっくり歩く道です。
速度を競う必要はありません。
気になったところから読み進めて、今の自分にとってちょうどよいところで足を止めてみてください。

いつからある祝日?「紀元節」から建国記念の日までの流れ

ここからは、二月十一日という日付に歴史の光を当てていきます。
といっても、年号をひたすら暗記する必要はありません。
三つの時期に分けて眺めるだけで、全体の流れはすっきり見えてきます。

その三つとは、明治時代の「紀元節」、戦後の廃止、そして現在の建国記念の日です。

明治の「紀元節」とはどんな日だったのか

明治の日本は、西洋列強の中で国としての形を整えようとしていた時期でした。
その中で、「日本はいつから続いている国なのか」を、象徴的に示す日が求められました。

そこで選ばれたのが、神話に登場する初代天皇、神武天皇が即位したとされる日です。
古い記録には、「辛酉年春正月庚辰朔」といった形で書かれていて、それを当時の暦に換算すると、紀元前六百六十年の一月一日ごろに当たると解釈されました。
さらにそれを太陽暦に置き換えた結果として、二月十一日が選ばれます。

こうして、明治六年に「紀元節」と呼ばれる祝日が定められました。
この日は、神武天皇の即位を記念し、日本の始まりを祝う日とされました。
やがて、四大節と呼ばれる重要な祝日のひとつとして、学校や職場でも盛大に祝われるようになります。

ここで大事なのは、「神話に基づく日付」が国の始まりと重ねられた、という点です。
当時の雰囲気の中では、それが自然な選び方でもありましたが、時代が進むにつれて、神話と歴史の境界をどう扱うかという問いが、少しずつ大きくなっていきます。

戦後にいったん廃止される理由

第二次世界大戦のあと、日本は大きな転換点を迎えます。
軍国主義や、天皇を中心とする考え方のあり方を見直す中で、紀元節もまた、象徴的な存在と見なされました。

戦後の新しい祝日制度を整えるとき、紀元節は祝日の一覧から外されます。
神話を根拠にした建国の日付を、そのまま国の中心に据え続けることへの反省や、さまざまな思いが交差していた時期でした。

この段階で、二月十一日はただの平日になります。
人によっては、かつての祝日をなつかしく思う人もいれば、これを機に新しい時代に向かおうと考える人もいたでしょう。

ここでも重要なのは、「完全に忘れ去られた」のではなく、「どう扱うべきか迷いながら、一度置き直された」という点です。
その迷いが、のちに「建国記念の日」という名前を選び直す土台になっていきます。

1966年、建国記念の日として戻ってくるまで

戦後しばらく経つと、再び「建国をしのぶ日を持ちたい」という声が、各地から上がるようになります。
一方で、「戦前のような意味合いに戻ってしまうのではないか」という不安も、同時に存在していました。

この葛藤の中で、長い議論が重ねられます。
日付をどうするか。
名前をどうするか。
祝日の意味をどこまで強く打ち出すか。

結果として、日付はかつての紀元節と同じ二月十一日が選ばれました。
ただし、名称は建国記念の日とし、先ほど見たように、祝日法の中で「建国をしのび、国を愛する心を養う日」と、比較的おだやかな言葉で定義されます。

こうして、一九六六年に祝日法が改正され、翌年から二月十一日は再び国民の祝日となりました。
かつての紀元節とは似ているけれど、まったく同じではない、すこしトーンの違う祝日の誕生です。

紀元節と建国記念の日、そして他国の建国記念日を比較してみる

ここで一度、話を整理するために、簡単な比較表を置いておきますね。
細部は覚えなくても構いません。全体の違いがぼんやり伝われば十分です。

項目紀元節(明治〜戦前)建国記念の日(現在)例:アメリカ独立記念日
日付の由来神武天皇の即位の日付を神話から割り出したもの紀元節と同じ日付を採用しつつ、「建国をしのぶ日」として再設定独立宣言が採択された具体的な日付
祝う対象日本の始まりそのもの、天皇の即位建国されたという事実全体と、その意味を考えることイギリスからの独立と、新しい国としての出発
雰囲気国家としての一体感を強く打ち出す式典が中心家庭や地域で静かに過ごす人も多く、受け止め方に幅がある花火やパレードなど、祝祭色の強いイベントが各地で行われる
制定の背景近代国家としての統合を急いだ時期戦後の反省を踏まえ、表現を少し和らげつつ建国をしのぶ日を再設定独立戦争と革命の物語が国の成り立ちの核になっている
名前のニュアンス建国の「日」そのものを祝う印象が強い建国を記念する「日」として、距離を一歩置いた表現出来事そのものをストレートに祝う言い方

こうして並べてみると、日本の建国記念の日は、どちらかというと、「国の成り立ちを静かに振り返る日」としての顔が強いことが分かります。
大きな祝祭ではなく、内側に向かう問いかけの日、と表現してもよいかもしれません。

ここまで読んで、もし頭の中に一本の時間の線が通ってきた感覚があれば、その感覚を大事にしてあげてください。
次は、少し視野を広げて、世界の建国記念日との違いを眺めてみましょう。

世界の建国記念日とくらべて見える、日本のあいまいさとやわらかさ

建国記念の日の話は、日本の内側だけを見ていると、どうしても抽象的に感じられがちです。
そこで一度、視点を世界に広げてみましょう。

世界には、さまざまな形の「建国」にまつわる日があります。
幾つか代表的な例を見てみると、日本の特徴が浮かび上がってきます。

アメリカの独立記念日は、独立宣言が採択された七月四日を祝う日です。
フランスでは、七月十四日の革命記念日が、旧体制の崩壊と新しい時代の始まりの象徴として祝われています。
どちらも、「この日をきっかけに、国のかたちが大きく変わった」と言える出来事が中心にあります。

これに対して、日本は、特定の出来事よりも、長い時間の積み重ねを重視してきた側面があります。
神武天皇の即位という神話を起点にする考え方も、その象徴のひとつです。

ただ、そこに一本の矢印だけを引いてしまうと、「昔からずっと変わらない国」というイメージが強くなりすぎてしまいます。
戦後の社会や価値観の変化を考えると、それもまた現実とは少しずれてしまいます。

そこで、建国記念の「日」という名前には、ある種のあいまいさが意識的に残されています。
「いつからこの国なのか」を一本の線で決めるのではなく、「この国がここまで続いてきたこと」をそっと振り返る日にする。
そのうえで、「ここから先、どうしていくか」は、わたしたち一人ひとりが日々考えていく。

日本らしいのは、この「あいまいさ」と「やわらかさ」の使い方だと、わたしは思います。
はっきり決めないことで守られているものもあれば、見えにくくなっているものもあります。

例えば、はっきり決めないことで守られているもの。
それは、「神話を信じるかどうか」に関わらず、誰もがこの国の成り立ちに思いを寄せる余地が残されている、という点です。
信仰や政治的な立場の違いを超えて、「この国が今ここにある」という事実そのものには、静かに向き合える。

一方で、はっきりしないことで、論点がぼやけてしまう場面もあります。
歴史にまつわる問題や、戦前と戦後の連続性について考えるときに、「あいまいさ」が壁になることもあります。

だからこそ、この祝日を「どちらか一方の意見を押しつける日」としてではなく、「あいまいさごと、いまの自分の言葉を探してみる日」として捉えてみると、少し楽になるかもしれません。

ここまで視点を広げてきましたが、そろそろ話をあなたの生活の半径に戻していきましょう。
次は、建国記念の日を、今年からどう過ごすかを考えるパートです。

建国記念の日をどう過ごすか考えるための、小さな行動案

建国記念の日だからといって、かならず何か特別なことをしなければならないわけではありません。
ただ、「毎年なんとなく休日として消費してしまう」のと、「自分なりの小さな意味を一つだけ持って過ごしてみる」のとでは、心の手触りが少し変わってきます。

ここでは、今日から試せる行動案を、三つに分けて置いてみます。
どれも、大げさな準備はいりません。

1分でできる「自分なりの一文」づくり

一番シンプルで、けれど意外と深いのが、この方法です。

紙でもスマホのメモでも構わないので、次のような一文を埋めてみてください。

「建国記念の日は、わたしにとって〇〇な日だ。」

〇〇のところには、どんな言葉が浮かぶでしょうか。
ゆっくり考えて書いてもいいですし、ぱっと思いついた言葉をそのまま書き留めておいても構いません。

例えば、こんな言葉が入るかもしれません。

  • 家族の暮らしを当たり前だと感じている自分に、少しだけ「当たり前ではなかった時間」を思い出させてくれる日
  • ニュースで見かける意見に飲み込まれないように、自分の頭で考え直してみる日
  • これから先、この国でどんな生き方をしたいかを、ぼんやりと眺めてみる日

形はどうであれ、自分の言葉で一度書いてみることに意味があります。
それだけで、「よくわからない祝日」から、「少しは自分の中に居場所のある日」に変わってくるからです。

身近な人と話してみるときの、やわらかい言い換え

もし、子どもや身近な人に聞かれたとき、どう伝えればいいか迷った経験があるなら、こんな言い方を一つ持っておくと少し安心です。

  • 「日本という国が今ここにあることを、そっと思い出す日なんだよ」
  • 「昔からずっと続いてきた国の歴史を、一回立ち止まって考えてみる日なんだ」
  • 「この国で生きていくわたしたちが、これからどうしていこうかを考えるきっかけの日だね」

もちろん、もっとシンプルに、「日本のお誕生日みたいな日」と説明することもできます。
その場合は、「本当の意味ではいろいろな考え方があるけれど、子ども向けにはこう伝えているんだ」と、自分の中で理解しておければ十分です。

会話の中で大切にしたいのは、「こう考えなさい」と押しつけるのではなく、「あなたはどう思う?」と問いを返せる余白です。
建国記念の日というテーマそのものが、そうした問いを受け止めるために用意されている、と考えてみるのもよいかもしれません。

もう少し時間があるときの、お出かけや読書のヒント

もし二月十一日前後に、少しだけゆとりがあるなら、こんな過ごし方もあります。

  • 神社や歴史資料館など、近くにある「この国の成り立ちに触れられる場所」に足を運んでみる
  • 日本の歴史を扱った絵本やまんがを一冊だけ読んでみて、気になったところに付箋を貼っておく
  • ニュースや本の中で、「建国」や「憲法」といった言葉が出てきたときに、一度立ち止まって、自分なりのイメージを言葉にしてみる

全部を一度にやる必要はありません。
もし迷ったら、今年は「自分なりの一文」を書くことだけを、そっと選んでみてください。
次の年、もし余裕があれば、その一文を読み返して、少し書き換えてみる。
それくらいのゆっくりしたリズムが、この祝日には似合っている気がします。

建国記念の日でよく聞かれる疑問Q&A

ここからは、よくある疑問をいくつか取り上げて、短く整理していきます。
気になるところだけ拾い読みしてもらっても大丈夫です。

Q&Aの読み方の案内

この先の質問には、それぞれ
最初に「安心してほしいポイント」
次に「おおまかな答え」
最後に「ここまで知っておけば十分という目安」
の順で触れていきます。

難しい話を押しつける場所ではなく、あなたの中のモヤモヤを少しずつほぐす場所だと思って、必要なところだけすくい取ってくださいね。

建国記念の日と建国記念日、正しい呼び方はどちら?

まず安心してほしいのは、日常会話の中で建国記念日と言ったからといって、すぐに誰かから責められるようなことはほとんどない、ということです。

正式な祝日の名前としては、建国記念の日が正しい表記です。
法律や公的な文書、学校の教科書などでは、この表記が使われます。

一方で、日常の会話では、建国記念日という言い方も広く使われています。
そのため、「どちらも耳にするけれど、正式にはどっちだったかな」と迷いやすいのです。

迷ったときは、「公式には建国記念の日、普段の会話では建国記念日と呼ぶ人もいる」と覚えておけば十分です。
少し余裕があるときには、「の」が入っている意味に思いを向けてみる。
それくらいの距離感で付き合ってあげると、心が楽になります。

どうして二月十一日なの?本当にその日に建国されたの?

ここでいちど、大きく息を吐いておきましょう。
「本当にその日に建国された」と言い切るのは、現代の歴史学の視点から見ると難しい、というのが正直なところです。

二月十一日という日付は、神武天皇が即位したとされる日付を、昔の暦から今の暦に換算して決められました。
その意味では、「日本の始まり」と重ねる象徴的な日として選ばれた、と言えます。

ただし、それをそのまま「歴史的事実」として扱うのか、「神話としての物語」として扱うのかについては、さまざまな考え方があります。
だからこそ、今の祝日では、「建国をしのぶ日」として、少し距離を置いた表現が選ばれているのです。

本当に覚えておきたいのは、「二月十一日は、この国の始まりを思い出す象徴的な日として選ばれた」というくらいです。
それ以上の細かな暦の計算は、歴史に強く興味が湧いてきたときに、ゆっくり深掘りすれば十分です。

戦前の紀元節と今の建国記念の日は、何が違う?

ここでのポイントも、白か黒かで決めきらなくて大丈夫です。
雰囲気の違いを、ふんわりとつかんでおきましょう。

戦前の紀元節は、神武天皇の即位そのものを祝う日として、国家的な色合いが強い祝日でした。
式典や儀式の中で、天皇と国の一体感が強く強調される場面も多くありました。

これに対して、今の建国記念の日は、同じ二月十一日でありながら、言葉のトーンが少しやわらかくなっています。
建国という出来事そのものより、その出来事を受け止めたうえで、「今をどう生きていくか」を考える方向に重心が移っています。

もちろん、完全に切り離されているわけではありません。
だからこそ、この日をどう受け止めるかについては、今もさまざまな意見があります。

違いをひとことで言うなら、
紀元節は「日本の始まりを強く祝う日」、
建国記念の日は「日本がここまで続いてきたことを静かに振り返る日」、
くらいにイメージしておくと、少し整理しやすくなります。

この日は政治的な意味合いが強いの?どう距離を取ればいい?

ニュースやインターネットで、二月十一日に関連する集会やデモの話題を目にすると、「政治的な日なのかな」と不安になるかもしれません。

実際、この日を大切に祝いたいと考える人もいれば、戦前とのつながりを懸念して距離を置きたいと感じる人もいます。
その意味では、今も対話が続いているテーマのひとつだと言えます。

ここで大事にしたいのは、「どの立場を取るか」を急いで決めなくてもいい、ということです。
建国記念の日を、個人的には静かに過ごすと決めるのもひとつの選択ですし、ささやかに国旗を掲げる家庭もあります。

あなた自身が、この日をどのように受け止めたいか。
その答えは、「今年のわたし」と「来年のわたし」でも変わって構いません。

距離の取り方に迷ったら、「今日は、自分とこの国の関係について、少しだけ考えてみる日」と決めておくと、極端な方向に振り回されにくくなります。

子どもにはどう説明したらいい?どこまで話せば十分?

子どもから「建国記念の日ってなに?」と聞かれたとき、急に大人側が緊張してしまうことがあります。
むずかしい歴史や政治の話を、いきなり全部伝えなければ、と身構えてしまうからです。

けれども、ここでもう一度、深呼吸を。
最初の説明は、やさしくてかまいません。

例えば、こんなふうに話してみることができます。

  • 「日本という国ができたことをお祝いする日なんだよ。ただ、いつぴったりに始まったかは、いろんな考え方があるんだ」
  • 「昔の人たちが、この国をつくってきてくれたことを思い出す日なんだ。大人になってから、もっといろいろな話を聞いてみようね」

そのうえで、「どうしていろんな考え方があるの?」と興味を持ったときに、少しずつ歴史の話を足していけばいいのです。

どこまで話せば十分か迷ったときは、
子どもが安心して眠れるくらいの情報量、
をひとつの目安にしてみてください。
不安や恐怖で心がいっぱいになってしまうほどの話は、あとの時間に回しても大丈夫です。

特別なことをしないのは、よくないこと?

最後によくある悩みをひとつ。
「建国記念の日なのに、特別なことをしていない自分は、どこかだめなのではないか」と感じる瞬間があるかもしれません。

結論から言うと、その心配も、そっと脇に置いて大丈夫です。

祝日の過ごし方には、たくさんの段階があります。
大きな式典に参加する人もいれば、家で静かに本を読む人もいます。
ニュースだけを眺めて、「今年もこの日が来たな」と思うところまでで止めておく人もいるでしょう。

どれか一つだけが正解、というわけではありません。
大切なのは、「自分は何も考えていない」と思い込むのではなく、「今の自分にできる範囲で、この日の意味を一度だけ思い出してみる」という小さな習慣です。

もし今年は何もしなかったとしても、この記事を読んでくれたあなたの中には、すでにひとつの問いが生まれています。
その問いがあるだけで、建国記念の日との付き合い方は、少しずつ変わっていくはずです。

まとめ|日付を覚えるより、「どんな国で生きたいか」を静かに考える日へ

長い文章をここまで読んでくれてありがとうございます。
最後に、話をもう一度やわらかく束ねて終わりにしますね。

建国記念の日は、
「日本がいつ始まったか」を一本の線で言い当てるための日ではなく、
「この国がここまで続いてきたこと」と、「これからどうしていくか」をそっと考えるための日です。

名前に「の」が入っているのは、
特定の出来事を絶対視するのではなく、
建国という成り立ち全体を少し距離を置いて見つめ直すための、小さな工夫でもあります。

この記事の中でたどってきた話は、大きく分けると三つでした。

  • 建国記念の日と建国記念日の違い、そして「の」が持つ意味
  • 明治の紀元節から戦後の廃止、建国記念の日としての再出発までの流れ
  • 世界の建国記念日との比較から見えてくる、日本らしいあいまいさとやわらかさ

そのうえで、わたしたち一人ひとりにできることは、とても素朴です。
日付と年号を完璧に覚えることでも、立場を声高に主張することでもありません。

今年の建国記念の日を、どんなふうに心の中で名前をつけて過ごしたいか。
それを、一文でいいので、自分の言葉で書いてみることです。

最後に、選びやすいように、今年の過ごし方の基準を箇条書きで置いておきますね。

建国記念の日の過ごし方を選ぶ基準

  • 特別な予定がないなら
     → 自分なりの一文を書いてみる。「建国記念の日は、わたしにとって〇〇な日だ。」の〇〇を埋めるだけでも十分。
  • 子どもや身近な人に聞かれそうなら
     → やさしい言い換えを一つ決めておく。「日本という国ができたことを思い出す日だよ」のような一文を心に用意しておく。
  • ニュースや意見のぶつかり合いに疲れやすいなら
     → 立場を決めることより、「自分はどう感じているか」を静かにメモに書き出してみることを優先する。
  • 歴史を少し深く知りたくなっているなら
     → 紀元節や戦後の祝日制度を扱った本や記事を一つだけ選び、建国記念の日をきっかけに読み始めてみる。
  • 今年はどうしても余裕がないと感じるなら
     → 「今年は何もできなかったな」と責める代わりに、「また来年、この日が来たときに少しだけ思い出そう」と、自分との約束を小さく結んでみる。

この中から、いまの自分にいちばんやさしいものを、一つだけ選んでみてください。
それが、あなたと建国記念の日との距離を、少しだけ温かくしてくれるはずです。

読んでくれたあなたが、「よくわからない祝日」から、「自分なりの意味を持った一日」へと、この日を少しずつ育てていけますように。
わたしは、いつでもそばで、その変化をいっしょに観測していきたいと思っています。

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