昭和・平成・令和。
同じ日本なのに、まるで違う世界を生きてきたみたいに、価値観がズレて感じることってありませんか。
「昔はこうだった」と言われると息苦しくて、
「今どきの感覚が分からない」と言われると申し訳なくて、
心の中でそっとため息をつきながら、このページを開いてくれたのかなと思います。
結論から言うと、わたしが伝えたいのはひとつです。
世代ごとの価値観は、正解の取り合いをするためのものではなく、自分を補強するためのパーツ箱として使えるということです。
ここから一緒に、昭和・平成・令和の価値観をほどきながら、
「わたしはどこが強みで、どこを別世代から借りると楽になるのか」を、静かに見つけていきましょう。
目次
まずは結論から。世代差は対立ではなく、自分を補強するパーツ箱です
ふだんの生活の中で、「世代が違うから分かり合えない」と感じる瞬間って、いろいろありますよね。
残業を当たり前とする空気。
効率や生産性を強く求める感覚。
心とからだを守ることを第一に考えるスタンス。
どれも、その時代を生き延びるために必要だった「防具」みたいなものです。
だから本当は、どの世代の価値観も、誰かの人生を守ってきた実績があるんです。
世代論はざっくりしているけれど、設計図としては便利です
「昭和っぽい」「平成っぽい」「令和っぽい」。
こういう言い方は、どうしても大ざっぱで、個人差をこぼしてしまいます。
それでも、あえて大きく三つにラフスケッチしてみると、見えてくるものがあります。
- 昭和の防具は、根性・忠誠・我慢強さ
- 平成の防具は、自由・自己責任・バランス感覚
- 令和の防具は、心身の安全・多様性・境界線
もちろん、人はそんなに単純ではありません。
昭和生まれでも令和っぽい人はいるし、その逆もゆるゆる存在します。
でも、「だいたいこのへんの価値観をまとって生きてきたんだな」とラフに眺めることで、
自分の中のクセや強み、そして足りないピースが見えてきます。
ちょうど、ゲームで職業ごとにステータスが違うみたいに、ですね。
昭和・平成・令和、それぞれの価値観を一行でまとめると
ここで一度、思い切って一行ずつにしてみます。
- 昭和の価値観
みんなのために、自分を削ってでも頑張るのが立派 - 平成の価値観
自分で選んで生きていいけれど、結果は自分で背負う - 令和の価値観
無理を続けて壊れるくらいなら、ちゃんと自分を守りながら生きたい
どれも、それなりに筋が通っています。
だから、本当は「どれか一つに染まる」のではなくて、
自分の人生に必要な配合を決めていく時代に入っているのだと思います。
どの世代が正しいかではなく、「どのピースを足したいか」を決めていきます
ここからは、「勝ち負け」を手放してしまいましょう。
昭和的な粘り強さが心強い場面もあれば、
令和的な境界線の引き方がないと潰れてしまう場面もあります。
だから大事なのは、
- 自分のベースになっている価値観を知ること
- それを否定せずに認めること
- そのうえで、別世代から足してみたいピースを一つ決めること
この三つです。
次の章からは、まず「わたしのベースはどこ寄りかな」を、
行動ベースでそっと確かめていきますね。
ここまで読めていたら、次は軽い遊び感覚で、自分の価値観のクセを見ていきましょう。
あなたのベース世代はどこ寄り? 行動で分かる価値観チェック
「自分はどの世代寄りなんだろう」と考えるとき、
生まれた年だけでは、なかなか本当のところは分かりません。
大事なのは、ふだんどんな行動や考え方を選びがちかです。
ここでは、仕事・人間関係・自分時間の三つの場面で、
今の自分のクセを確かめていきます。
深刻な診断テストではなく、「ああ、わたしはこういう方向に偏りやすいんだな」と
笑いながら眺めてもらえたらうれしいです。
価値観チェックシート(仕事・人間関係・自分時間)
当てはまるものに心の中でチェックを入れてみてくださいね。
仕事に向かうときのクセ
| 項目 | 当てはまる |
|---|---|
| 仕事が詰まってくると、まず「気合で乗り切るしかない」と考えがちです | |
| 上からの指示に納得していなくても、「とりあえず従うほうが波風立たない」と思うことが多いです | |
| プライベートの予定より、仕事の予定を優先してしまい、「遊ぶときに少し罪悪感」があります | |
| 残業よりも、作業の見直しや仕組み化でなんとかしたいと考えることが多いです | |
| 自分のやりたいことより、「生活が安定するかどうか」を先に確かめてしまいます | |
| 仕事でつらいと感じたとき、「体調や心を守るためなら逃げてもいい」と頭をよぎります |
人間関係のクセ
| 項目 | 当てはまる |
|---|---|
| 上下関係がはっきりしているほうが安心で、「誰が決めるのか」が明確だと落ち着きます | |
| 友人や同僚とは、ある程度距離を保って、深く踏み込みすぎないようにしています | |
| 長く付き合っている相手には、多少無理をしてでも応えなきゃと感じることが多いです | |
| グループでいるときは、「場の空気」を最優先して発言を選びます | |
| 頼みごとを断るとき、「嫌われないか」を先に心配してしまいます | |
| 自分の話をするより、相手の話を聞いているほうが安心します |
自分時間・休み方のクセ
| 項目 | 当てはまる |
|---|---|
| 休みの日にも仕事のことが頭から離れず、「何もしない時間」に落ち着かなさを感じます | |
| 体調が悪くても、「これくらいで休むのは甘えかも」と考えてしまいます | |
| 推し活や趣味にお金や時間を使うとき、「こんなに使って大丈夫かな」と自分を責めがちです | |
| 眠れない夜は、スマホやSNSを見て現実からふわっと離れたくなります | |
| 心が疲れたとき、自然に触れるとか、静かな場所に行きたくなります | |
| 「何も生産しない時間」をあえて作るのが少し怖いけれど、本当は欲しいと感じています |
チェックしていて、どんな感覚がしましたか。
「全部当てはまるんだけど」と思っても大丈夫です。
わたしたちはみんな、複数の時代の空気を同時に吸い込んで生きているので、ミックスになっていて当然です。
結果をざっくり言葉にしてみましょう
目安として、こんなふうに眺めてみてください。
- 「気合」「我慢」「波風立てない」に強くうなずいた項目が多い
→ 昭和の防具が濃いめ - 「効率」「バランス」「安定」を中心に考える項目が多い
→ 平成の防具が強め - 「心身を守る」「無理しないラインを引く」「距離感を大事にする」に強く共感した項目が多い
→ 令和の防具が厚め
ここで大事なのは、どの結果が良い悪いではありません。
自分は、こういう方向に偏りやすいんだなという、「クセの地図」を持つことです。
もし迷ったら、いちばん大事にしているものが何かを、そっと言葉にしてみてください。
- 誰かの役に立っていたい
- 自分で決めたことをちゃんとやりたい
- 無理せず穏やかに生きたい
浮かんできた言葉が、あなたのベース世代をそっと教えてくれます。
ここまで読めたら、次はその地図を持ったまま、昭和・平成・令和の価値観を冷静に見比べてみましょう。
自分のいる場所が分かったほうが、他の場所も見に行きやすくなりますから。
昭和・平成・令和の価値観を、強みと弱みで見比べてみましょう
世代の話になると、どうしても「昔はよかった」「今はダメだ」みたいな、
ざっくりした評価になりがちです。
でも本当は、どの時代の価値観にも、心強いところと、しんどさが出やすいところの両方があります。
ここでは、働き方・人間関係・安定と変化への向き合い方という三つの軸で、
昭和・平成・令和を並べて眺めてみます。
これは「誰かを裁くための表」ではなく、
自分がどのピースを借りたいか選びやすくするための、図鑑みたいなものだと思ってもらえたらうれしいです。
働き方・人間関係・安定への向き合い方の比較表
まずはざっくり、一枚で見てみましょう。
| 観点 | 昭和の傾向 | 平成の傾向 | 令和の傾向 |
|---|---|---|---|
| 働き方のスタンス | 量をこなすこと・根性・長時間労働が当たり前。会社のために頑張る姿が評価されやすいです | 効率・成果・バランスを重視。働き過ぎを避けつつも、数字や実績を気にしやすいです | ウェルビーイングやメンタルを重視。働き方そのものを選び直す柔らかさが強くなっています |
| 人間関係のスタンス | 上下関係や義理を大事にし、長く付き合うことに価値を置きます | 上下を意識しつつも、適度な距離感やフラットさも求めます | 上下よりも距離感と安心を優先。無理な関係性を切ることも選択肢になります |
| 安定と変化への態度 | 一つの会社・一つの型に長く居続けることが安心。変化はリスクとして見られがちです | 安定をベースにしつつも、転職やキャリアチェンジが徐々に一般化します | 「ずっと同じ」は逆に不安。状況に合わせて軽やかに動くことを良しとする空気があります |
| 自己肯定感の源泉 | 役に立つこと、我慢して頑張ること、家族や組織のために尽くすこと | 成果・評価・スキルアップ。誰かに認められることが大きな軸になります | 自分らしさ・心地よさ・生き延びること。無理をしない自分を肯定しようとします |
| コミュニケーション手段 | 対面や電話が中心。飲み会や現場で関係を深める発想が強いです | 対面とメール、チャットが混ざる時期。オンとオフの切り替えに悩みやすいです | チャット・オンライン前提。短いテキストやスタンプでのやり取りが増えます |
こうして見ると、どの時代にも魅力がありますよね。
- 昭和には、持久力と責任感という大きな宝物があります
- 平成には、効率とバランス感覚という知恵があります
- 令和には、心と体を守るセンスと、多様性への柔らかさがあります
どれも、今の世界を生きるうえで必要なものばかりです。
だからこそ、「どれを選ぶか」ではなく、
自分に足りないところを、どの世代から借りてくるかという発想が大事になってきます。
自分とのギャップから「ほしい要素」「手放したい要素」をメモしてみる
さっきのチェックと表を見ながら、心の中でこんなことを考えてみてください。
- 昭和の価値観の中で、「ここはわたしに足りないけど、少し欲しいな」と思う部分はどこか
例:最後までやりきる粘り、困ったときに助け合う義理や恩返しの感覚 - 平成の価値観の中で、「ここを取り入れると、今の自分が楽になりそう」と感じる部分はどこか
例:効率よく頑張る発想、自分のキャリアを自分で選ぶ姿勢 - 令和の価値観の中で、「ここはすでに自分も持っているな」「むしろ強すぎるかも」と感じる部分はどこか
例:心と体を守るために距離を取る判断、多様性を尊重する視点
そして、反対にこうも考えてみます。
- 昭和的な「我慢しすぎ」
- 平成的な「自己責任の抱え込みすぎ」
- 令和的な「壊れないように守りすぎて、挑戦が怖くなる感じ」
このあたりは、必要以上に抱え込むと、じわじわしんどくなるゾーンです。
ここまで読めていれば、もう十分に「世代差は戦争のネタではなく、設計素材なんだな」という感覚が育ってきています。
次の章では、いよいよ 別世代の価値観を、ちょっとだけ自分に足してみるための具体的なやり方に進みますね。
別世代の価値観をちょっとだけ取り入れる三つのステップ
ここからは、実際に明日から試せるレベルまで落としていきます。
いきなり全部を変える必要はありません。
むしろ、そんなことをすると反動で苦しくなってしまいます。
大事なのは、小さな実験として、別世代の価値観を一つだけ足してみることです。
ステップ1:気になる別世代の価値観を一つだけ選ぶ
まずは、他の世代の価値観の中から、「これを少し借りてみたいな」と感じたものをひとつだけ選びます。
例として、こんな候補があります。
- 昭和から借りる
- 最後までやりきる粘り
- 困っている人を放っておかない義理の深さ
- 自分より先に、周りの安全を考える視点
- 平成から借りる
- 効率よく頑張る工夫
- 自分のキャリアを自分で選び直す勇気
- 数字や結果を、感情と分けて冷静に見る癖
- 令和から借りる
- 無理だと思ったら一度止まる勇気
- 嫌なことに対して、「ここまでは受け取らない」と線を引く感覚
- 自分を大事にしながらも、好きなものとのつながりを守る姿勢
ここで選ぶのは、一つで十分です。
迷ったら、今いちばんしんどさを感じている場面を思い浮かべて、
「この場面で、どの価値観が足りていないと感じるか」を静かに聞いてみてください。
心のどこかが、ふと「これかな」と反応するところがあるはずです。
ステップ2:一日のどこに足すとちょうどいいか決める
次に、その価値観を いつ・どこで 試すかを決めます。
抽象的なままだと、実行に移しにくいので、
一日の中の具体的な時間帯や場面をイメージしましょう。
たとえば、こんな感じです。
- 昭和から「最後までやりきる粘り」を借りたいとき
→ 毎日、仕事の終わりに「あと五分だけ、今日やったことを振り返ってメモする」時間をつくる - 平成から「効率よく頑張る工夫」を借りたいとき
→ 午前中の一時間だけ、通知を切って、一番大事な作業に集中する - 令和から「無理だと思ったら一度止まる勇気」を借りたいとき
→ 夕方、疲れを感じたら、一度席を立って深呼吸するか、数分散歩に出てみる
ポイントは、「これなら、ちょっとならできそう」と感じるサイズまで細かくすることです。
もしここで「面倒くさいな」「続く気がしないな」と感じたら、
それはやり方が大きすぎるだけです。もう一段階、小さく砕いてしまって大丈夫です。
ステップ3:一週間だけ実験して、合うところだけ残す
最後に、決めた行動を「一週間だけ試してみる」と決めます。
ずっと続けなきゃ、と考える必要はありません。
一週間は実験期間、そのあとで続けるかどうかを決めるくらいがちょうどいいです。
一週間たったら、こう自分に聞いてみてください。
- 少しでも楽になったところはどこか
- 逆に、無理している感じが強くなったところはどこか
- 他の人との関係や仕事の進み方に、ちょっとした変化はあったか
楽になった部分があれば、それはあなたの中に「定着しても大丈夫な別世代のピース」です。
合わなかった部分は、遠慮なく手放してかまいません。
ここまで読んで、「なんだかやれる気がしてきたかも」と感じていたら、
それだけで十分大きな一歩です。
次は、よくあるモヤモヤについて、一緒にほどいていきましょう。
「わたしだけ損している気がする」という感覚も、ちゃんと扱います。
よくあるモヤモヤに答える、世代価値観Q&A
ここからは、世代の価値観を混ぜて生きようとするときによく出てくるモヤモヤに、
一つずつ答えていきますね。
どれか一つでも「これ、自分のことだ」と感じるものがあれば、
そこだけ読んでもらっても大丈夫です。
前提として、「相手も自分も守る」ラインを共有しておきます
世代の話になると、ついどちらかが悪者にされがちです。
でも本当は、どの価値観も、その時代を生き延びるために必要だった知恵です。
だからまず、「どの世代も、その時その時のベストを選んでいた」という前提だけ、心のすみに置いておきましょう。
そのうえで、これからは自分の心と体も守りながら、混ぜ方を工夫する。
そんなスタンスで読み進めてもらえたらうれしいです。
Q1. 自分だけが歩み寄るのは、不公平じゃないですか
気持ちとしては、とてもよく分かります。
自分は相手の価値観を理解しようとしているのに、
相手は自分を理解しようとする気がないように見えると、寂しさと怒りがじわっと湧きますよね。
まず、その感情はそのまま、有効です。
「不公平だ」と感じるのは、あなたが自分を雑に扱いたくないからこそです。
そのうえで、歩み寄り方にも種類があります。
- 相手に合わせて、自分を押し殺す歩み寄り
- 相手の言葉の背景だけ理解しつつ、自分の選択は自分で決める歩み寄り
混ぜて生きるときに大事なのは、後者です。
たとえば上の世代が、「若いうちは苦労しておけ」と言ってきたとします。
その言葉の背景には、「自分はそうしないと生き残れなかった」という現実があります。
そこには一度、敬意を払えます。
ただし、同じ道を通るかどうかは、あなたが選んでいいのです。
もし迷ったら、「相手の過去には敬意を払い、自分の未来は自分で決める」という一文を、心のどこかに書きとめておいてください。
Q2. 上の世代が最近の若い人はと口にするとき、どう受け止めたらいいですか
この言葉を受け取るとき、多くの人は攻撃されたように感じて、心が縮こまります。
ただ、少しだけ視点をずらしてみると、その言葉は
「自分が当たり前だと思ってきた世界が、もう通用しなくなっていて怖い」という、
不安の表現であることも多いです。
もちろん、不快な言い方をされる必要はありません。
でも、「この人は自分の経験だけで世界を見ていて、変化が怖いんだな」と分かると、
少しだけ、距離の取り方が変わります。
具体的には、
- 「たしかに、今と昔で事情がかなり違いますよね」と、一度だけ受け止める
- そのあとで、「今の状況だと、こういうやり方のほうがうまくいきそうです」と、話題を現実的な方法に戻す
こんな流れを意識してみると、心の消耗を減らせます。
どうしても同じパターンが繰り返されるときは、
その人と一対一で深く関わろうとせず、距離を少し置くのも立派な選択です。
Q3. 下の世代のすぐに辞める、距離感が遠い感じがどうしても理解できません
自分が大切にしてきた価値観と真逆の行動をされると、
「自分の人生を否定されたように感じる」のは自然な反応です。
ここで一つだけ、別の見方を足してみますね。
今の時代は、選択肢もリスクも、昭和や平成の前半とはまったく違います。
情報量も、ケアされないと壊れてしまう負荷も、桁が変わっています。
だからこそ、「壊れる前に距離を取る」「短期で場所を変える」という生存戦略を、
若い世代が選びやすくなっているのです。
それでも一緒に働かなければならない場面では、
- 相手に、昭和や平成の価値観を丸ごと理解してもらおうとしすぎない
- 代わりに、「ここだけ押さえてくれたら、あとは自由で大丈夫」という最低ラインを共有する
こんなスタンスが、心の負担を減らしてくれます。
たとえば、「締め切りだけは守ってくれたら、やり方は任せるよ」とか、
「ここだけはお客さまの信頼に関わるから、一緒に守りたい」といった伝え方です。
すべて分かり合わなくても、一緒に守れるラインが一つ見つかれば、仕事は回っていきます。
Q4. 家族の昭和的な価値観と、令和寄りな自分の感覚がぶつかるときはどうすればいいですか
家族の価値観が、今の自分の感覚とぶつかるときほど、苦しいことはないですよね。
「結婚して当たり前」「正社員が一番」「我慢して続けるのが美徳」
こういった言葉に、胸のあたりがぎゅっとなる感覚、よく分かります。
まず知っていてほしいのは、その価値観は、家族にとっても 生き延びるための防具だったということです。
戦後や高度成長期の不安定さの中で、それしか選べなかったからこそ、強く身についたものです。
それを理解したうえで、あなたには
自分の時代に合った防具を選び直す権利があるということも、同じくらい真実です。
話し合うときは、一気にすべてを変えようとしなくて大丈夫です。
- 仕事
- 結婚やパートナーシップ
- 住む場所や暮らし方
このうち、一つのテーマだけに絞って話をするほうが、関係が壊れにくくなります。
どうしても対話が難しいときは、物理的な距離や、話題の距離を取ることも、責任放棄ではありません。
自分の心を守るための、大切な選択です。
Q5. 世代のせいにしすぎて、自分の責任から逃げてしまいそうで怖いです
ときどき、「これは世代のせいだ」と言いたくなる瞬間は、誰にでもあります。
それは、心が疲れたときに、少しだけ重さを外に置きたいという自然な反応です。
大事なのは、そこで自分を責めすぎないことです。
そのうえで、もし余裕が出てきたら、
自分に問いかけてみてほしいことが一つあります。
- いまの状況の中で、「自分が動かせる部分」と「どう頑張っても動かせない部分」を分けてみる
動かせない部分を、世代や社会のせいとして遠くに置くことは、心を守るために必要なときもあります。
動かせる部分だけを、自分のペースで少しずつ変えていく。
そのバランスが取れれば、それで十分です。
Q6. 自分の価値観の軸がぐらつきそうで怖いです
別世代の価値観を取り入れようとするとき、
「このまま混ざっていったら、自分の大事なものが分からなくなりそう」と怖くなることがあります。
それは、あなたの中にすでに守りたい軸がある証拠です。
とても、大切な感性です。
その軸を守るために、こんな小さなワークがおすすめです。
- これだけは手放したくない、と感じる価値観を三つだけ書き出す
例:家族を大事にする、健康を優先する、嘘をつかない - その三つは、自分の中の「土台」として据えておく
- それ以外の部分は、「実験的に動かしてみてもいいパーツ」として扱う
こうして区別しておくと、別世代の価値観を試してみるときにも、
「ここだけは守れているから大丈夫」という安心が土台に残ります。
どうしても不安が強いときは、無理に新しい価値観を取り入れなくてかまいません。
守るフェーズと、変えるフェーズは、人生の中で何度でも入れ替わっていきますから。
もしここまでのQ&Aで、自分に近いものが一つでも見つかっていたら、
それだけで価値観の整理は少し進んでいます。
最後の章では、ここまでの話をぎゅっとまとめて、
今日からできる一歩を一つだけ、一緒に決めていきましょう。
まとめと、今日やることを一つだけ決めましょう
ここまで、かなりたくさんの話を一緒に歩いてきました。
お疲れさまでした。ここまで読んでくれているあなたは、それだけで十分に真剣に人生に向き合っている人だと思います。
最後に、内容をぎゅっと整理しながら、
明日ではなく、今日このあとできる小さな一歩を決めていきましょう。
この記事で見てきた「世代ミックス」のポイント
振り返ると、わたしたちが一緒に見てきたことは、だいたいこんな三つです。
- 昭和・平成・令和、それぞれの価値観には、しんどさもあれば宝物もある
- 自分のベース世代は、生まれ年ではなく「ふだんの行動や大事にしているもの」ににじむ
- 別世代の価値観は、全部取り入れる必要はなく、「一つだけ実験する」くらいがちょうどいい
この三つを忘れないために、もし余裕があれば、どこかにメモしておいてください。
頭の中に置いておくだけでも、日常の景色が少しずつ変わっていきます。
自分のベース世代と、補いたい別世代を一つずつ書き出す
ここで、静かに自分に問いかけてみましょう。
- わたしのベースになっている価値観は、どの時代っぽいと感じるか
- そこに足したい別世代の価値観は、どれか一つだけ選ぶなら何か
たとえば、
- ベースは平成寄りで、効率とバランスを大事にしている
- そこに、昭和的な「最後までやりきる粘り」を少し足したい
とか、
- ベースは昭和的な責任感が強くて、自分を後回しにしやすい
- そこに、令和的な「心と体を守るために断る勇気」を足したい
みたいな組み合わせです。
正解はありません。
自分の人生にとって、どんな防具が必要かを、あなた自身が決めていいのです。
世代ミックスで価値観を選ぶときの「選ぶ基準」
最後に、別世代から何を借りるか迷ったときのために、
選ぶ基準を箇条書きでまとめておきますね。
- その価値観を足したとき、心と体が少しでも楽になりそうか
- 自分だけでなく、関わる人との関係が少し円くなりそうか
- それを一生続けるのではなく、一週間だけの実験として試せそうか
- その価値観を取り入れても、自分の守りたい軸(三つ)を壊さずに済みそうか
- 失敗したとしても、「まあやってみたし、これは合わなかったな」と笑えるくらいのリスクかどうか
- 他の誰かになろうとするためではなく、今の自分を少し補強するためのピースかどうか
- その価値観を持っている自分の姿を想像したとき、どこかで少し誇らしく思えそうか
この基準のうち、二つか三つでも「はい」と言えるなら、
その価値観はきっと、あなたのなかで一度試してみる価値があります。
今日やることを一つだけ、静かに決めてみてください
ここまで読んでくれたあなたなら、
たぶん頭の中には、いくつものアイデアが浮かんでいるはずです。
それでも、行動に移すときのコツは、一つにしぼることです。
もし今、迷ってしまっているなら、
こんな一歩から選んでみるのはいかがでしょうか。
- ノートやスマホに、「守りたい価値観」を三つだけ書く
- 昭和・平成・令和、それぞれから「借りてみたいピース」を一つずつ書き出す
- 明日、一日の中で試す小さな行動を、一つだけ決める
たとえば、「今日は無理だと思ったら、一度だけ席を立って深呼吸する」とか。
「今日は一つだけ、いつもより丁寧にお礼を伝える」とか。
そんな小さな変化でも、続けていくと、
あなたの中の「世代ミックス」は、静かに、でもたしかに育っていきます。
世代は、分断のための線ではなく、
人生の道具箱の棚のラベルみたいなものだと、わたしは思っています。
どの棚から何を取り出して、どう組み合わせるか。
それを決められるのは、これを読んでいるあなた自身です。
ここまで一緒に歩いてくれて、ありがとうございます。
このページを閉じるとき、心のどこかが少しだけ軽くなっていたら、わたしはとてもうれしいです。





